推しの裏の顔を知っても、好きと言えますか?





俺が自宅で女の子を育てているのは、この子が俺のファンだから。毎日、どの現場に行くにも出待ちしていて、必ず目が合うと、飛び跳ねて俺に手を振る。


1ヶ月に1回は、自分の出来事を報告する手紙をくれて、君の行動が読めた。俺の誕生日には、盛大なケーキとプレゼントを送ってくれて、お祝いをしてくれた。それだけで十分気持ちが伝わった。



そんなに俺のことが好きなら、そばに置いてあげようと思った。手紙で君の居場所が分かったから、そこへ向かって声をかけて。君は嬉しそうに両手で口を塞いで、顔を赤くしている。




「啓悟くん!かっこいい…」


「君を迎えに来たんだよ」




そう言えば目を見開いて、夢かと叫ぶ。夢じゃないよ、全部現実。



自宅にあげれば特別だと喜び、〝君にしか、こんなことしないよ。俺のこと、好きなんでしょ?〟と聞くと、不思議そうに首を傾げる。そして俺の言葉を理解したのか、少しずつ目の奥が恐怖に支配されていく過程をこの目に焼き付けて、俺の心は満たされていく。





「帰ります…」


「帰さないよ?好きって言ってくれる子には、お礼しないと」





初めて家にあげた子には、絶対付けさせてあげたいと大事に持っていた首輪。ようやく付けられる日が来た。


やめてと叫ぶ君を突き飛ばし、言うことを聞かないとこうなると躾ける。この子は、聞き分けの良い子かもしれない。突き飛ばせば、言うことを聞いた。大人しく首輪を付けやすいように上を向いてくれて、良い子だねと頭を撫でると目に涙を滲ませる。



愛を知らない子が愛を知った瞬間を見たような、そんな涙。美しい、これに限る。