「柊部長。文化部室棟の廊下は人が全く通らないわけでも、バイオリン同好会が常に美しい音色を奏でているわけでもないので。私はこの辺で部室に戻らせて頂きます」
――前田くんが来た。
前田くんがノッシノッシと歩いて来た。
私は柊部長の後方を指さした。
柊部長は、ハッとした顔で振り返って前田くんを見る。
「前田くん! 段持ちばかりの同級生に気後れせず、なんだかんだいつも部室に来る真面目な君を信頼している!」
「はい。本当はバレーボールをやりたかったって、去年あれだけ言ったにもかかわらず、こうして受け入れてくれる将棋部に恩返しがしたいです」
低い声とのそっとした挙動。背が高く、頭が高い前田くん。
「村家はいつも対局相手になってくれてありがとう」
「いいよ。前田くんは絶対強くなるよ」
「村家にそう言って貰えて嬉しい。また対局してくれ」
私は、この男前が平気で言う言葉の響きを、ちょっと好きだ。
「いいよ!」
私は、思いがけず満面の笑みで部室に戻った。
――前田くんが来た。
前田くんがノッシノッシと歩いて来た。
私は柊部長の後方を指さした。
柊部長は、ハッとした顔で振り返って前田くんを見る。
「前田くん! 段持ちばかりの同級生に気後れせず、なんだかんだいつも部室に来る真面目な君を信頼している!」
「はい。本当はバレーボールをやりたかったって、去年あれだけ言ったにもかかわらず、こうして受け入れてくれる将棋部に恩返しがしたいです」
低い声とのそっとした挙動。背が高く、頭が高い前田くん。
「村家はいつも対局相手になってくれてありがとう」
「いいよ。前田くんは絶対強くなるよ」
「村家にそう言って貰えて嬉しい。また対局してくれ」
私は、この男前が平気で言う言葉の響きを、ちょっと好きだ。
「いいよ!」
私は、思いがけず満面の笑みで部室に戻った。
