好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

 モスグリーンの瞳が、私を見ている。

 「ダレン様」そう声をかけようとしたものの、ダレンはすぐさま私から視線を離した。

 そして何もなかったかのように、聖女と微笑み合う。

 何も見なかった。そんな風に思われたのだろうか。

 どこまでもその真実が、胸のどこかを痛くさせる。

 この感情が悔しさなのか、さみしさなのか。今の私には分からない。 

「行きましょう、ルミナ嬢」
「……ええ」

 彼女の方が、後ろ髪を引かれているようにさえ思えた。
 何度か彼らの姿を非難するように見たあと、ルミナは諦めたように私の横を歩き始める。

 私たちはどこから間違ってしまったのだろう。
 どうすれば良かったのかしら……。

 私はやや冷たくなりつつある風に吹かれながら、考えずにはいられなかった。