好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

 わざとだと分かっていても、腹が立つ。

 この先もダレンを返すつもりはない。そう言いたいのでしょう。

 だけど顔になど感情を出してはあげない。

 少なくとも彼女の思い通りになんてならないんだから。

「ダレンが婚約者である以上、他を立てるなど不誠実になりますので」
「ふーん。なんか大変ね」

 ケラケラと笑う彼女を無視し、私はダレンを見上げる。

 ダレンは困った顔をするわけでもなく、また私から視線を逸らした。

 きっとこれが答えなのね。

 そう思った私も、わざと彼から視線を外す。

 私の視界の端で、聖女がニタリと笑ったのが見えた。