好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

「護衛って」
「聖女様はこの世界とは違う世界から来られたお方。この世界のマナーなどを知らないのだそうよ」
「ですが」
「そうね」

 私はそう言いながら、そっとため息をつく。

 聖女様はこの世界では珍しい、黒い髪に黒い瞳。
 バラ色の唇に、色白く滑らかな肌。

 ドレスも普通の令嬢たちが好む裾の長いものよりも、膝が出るほど短くふわふわしたものがお好きらしい。

 ダレンは私の婚約者にして騎士団長。
 彼が異世界から来た聖女様の護衛に選ばれたのは、ある意味名誉なのかもしれない。

 だけどこの世界の仕組みなどが全く分からない彼女のために、数名のお付きの人間もずっと付いている。

 その姿はある意味、少し異様だ。
 言ってはいけないとは思っていても、彼女が男を王宮ではべらせている。

 聖女様がこの国に転移されて以来、すでに数か月経過し、令嬢たちからはそんな言葉が上がるようになっていた。