好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

 王子殿下の生誕を祝う夜会は、聖女とのお茶会のちょうど二週間後に行われた。

 それまでの間、ダレンが私の屋敷に訪ねて来ることも、手紙をよこすことも一度もなかった。

 本来ならば夜会のエスコートのために、衣装などの打ち合わせ連絡があるはずなのに。

 大方聖女からエスコートの件は話をつけたとでも言われたのだろう。

 それでも私に一言、伺いを彼の口から立てるべきなのに。

 それすら必要ないと思っているのかもしれない。婚約者とは、彼にとってなんなのだろう。

 考えても仕方のないことだとは思っても、考えずにはいられなかった。

 仕方なく私は、父と夜会へ行くことに。

 父は王宮まで向かう馬車の中でも、ずっと無言だった。