朝市に出てから、私の編み物は熱量を増やしてたくさん編むようになった。
そんな私を、適度に休憩させて、甘やかすのはライナスさんのお仕事になった。
次期、蛇族の長のライナスさんはたまにケイリーさんと出かけたりする。
そんな時はケイリーさんの旦那様でライナスさんのお父さんのロイスさんとお留守番だ。
ロイスさんは、同じ蛇族さんなんだけれど、その一族の中でも手先は器用。
ロイスさんは刺繍職人さんで、とっても綺麗な作品を仕上げる。
「ロイスさん、私たちは好きに作っているけれど。この生活で良いんでしょうか?」
少しづつ、私の作品も売れ始めて、ちょっとづつここでのお金も溜まってきた。
衣食住に作品のための材料までライナスさん持ちなので、そこが気にかかるのだ。
「奈々実には分かりづらいかもしれないね。でも、それが番への表現でもあるから、止めたら一気に奈落のどん底に落ちちゃうと思うよ」
あまりの発言に、声も出ずに目を見開いてしまう私。
「番が愛しくて、番のために生きてるからね。僕の一番の作品はケイリーのためだし。奈々実も最初の作品はライナスにあげたんでしょう?」
「はい。日頃お世話になっているし、材料も道具もライナスさんが揃えてくれたから。最初はライナスさんにって」
私の返事にロイスさんはニコッと微笑んで、言った。
「それでいいんだよ。番の初めてが、相手にとっては最高の贈り物だからね」
それでも、最近与えられるばかりの関係にこれでいいのか?と思ってしまう。
「そうだねぇ……。こんど、もし奈々実が覚悟ができるなら。奈々実から気持ちを示す行動をしてあげればいいと思うよ」
こんな会話をしつつも、私とロイスさんの手はしっかり動いて各々の作品を仕上げていたのだった。
その日の夕方にはケイリーさんとライナスさんは仕事を終えて帰ってきた。
ケイリーさんたちのお家からライナスさんのお家に帰って、私は定位置になってきたソファーに座って楽しそうにご飯を作るライナスさんを見て、ロイスさんの言葉を思い返す。
そうか、私まだ全然言葉にも態度にも出していなかったんだなと気づいてしまった。
こんなに私に良くしてくれる、愛しさを隠さない彼に。
「ライナスさん」
呼びかけて、私は久しぶりに自分の足で歩いてライナスさんに抱き着いた。
「え!? 奈々実、どうしたの?」
後ろから急に抱き着いた私に、ライナスさんはびっくりしたらしい。
でも、調理の手を止めて私を見ようと身を捩っている。
「ライナスさん。ずっと一緒に居て、支えて、想ってくれてありがとう。ここで私が生活出来てるのはライナスさんのおかげだよ」
私の言葉にライナスさんはふにゃとっした笑顔を浮かべて、言うのだ。
「それは、だって奈々実は大切な番だもの。待っていた、僕のたった一人だよ」
捩っていた身体を、あっさり向かい合う姿勢になるとライナスさんは抱きしめ返してくれる。
「私、普通の平凡な子だよ。でも、ここに来れて良かったって思うの。こんなに大切にされて愛されて、幸せなの。私も、ライナスが好き……」
最後の方は、少し恥ずかしくなってライナスさんに見えないようにその胸に顔をうずめつつ言った。
いつも、好きだよって全力で示すライナスさんに、まだたった一言だけ。
全然返せていないかもしれないけれど、まずは一歩から。
「奈々実!」
ライナスさんは、呼ぶなり抱きしめた腕にさらに力を込めた。
「許しを得たと思っていい?」
その一言に、頷く私を抱えて、ライナスさんと私は初めての夜を迎えたのだった。
ここに来て半年ほどのこと。
後々、他の蛇族女性たちに今回の件を話すことになった時、ライナスさんはめちゃくちゃ番想いの我慢強い男だったという評価を聞くことになるのだった。
そんな私を、適度に休憩させて、甘やかすのはライナスさんのお仕事になった。
次期、蛇族の長のライナスさんはたまにケイリーさんと出かけたりする。
そんな時はケイリーさんの旦那様でライナスさんのお父さんのロイスさんとお留守番だ。
ロイスさんは、同じ蛇族さんなんだけれど、その一族の中でも手先は器用。
ロイスさんは刺繍職人さんで、とっても綺麗な作品を仕上げる。
「ロイスさん、私たちは好きに作っているけれど。この生活で良いんでしょうか?」
少しづつ、私の作品も売れ始めて、ちょっとづつここでのお金も溜まってきた。
衣食住に作品のための材料までライナスさん持ちなので、そこが気にかかるのだ。
「奈々実には分かりづらいかもしれないね。でも、それが番への表現でもあるから、止めたら一気に奈落のどん底に落ちちゃうと思うよ」
あまりの発言に、声も出ずに目を見開いてしまう私。
「番が愛しくて、番のために生きてるからね。僕の一番の作品はケイリーのためだし。奈々実も最初の作品はライナスにあげたんでしょう?」
「はい。日頃お世話になっているし、材料も道具もライナスさんが揃えてくれたから。最初はライナスさんにって」
私の返事にロイスさんはニコッと微笑んで、言った。
「それでいいんだよ。番の初めてが、相手にとっては最高の贈り物だからね」
それでも、最近与えられるばかりの関係にこれでいいのか?と思ってしまう。
「そうだねぇ……。こんど、もし奈々実が覚悟ができるなら。奈々実から気持ちを示す行動をしてあげればいいと思うよ」
こんな会話をしつつも、私とロイスさんの手はしっかり動いて各々の作品を仕上げていたのだった。
その日の夕方にはケイリーさんとライナスさんは仕事を終えて帰ってきた。
ケイリーさんたちのお家からライナスさんのお家に帰って、私は定位置になってきたソファーに座って楽しそうにご飯を作るライナスさんを見て、ロイスさんの言葉を思い返す。
そうか、私まだ全然言葉にも態度にも出していなかったんだなと気づいてしまった。
こんなに私に良くしてくれる、愛しさを隠さない彼に。
「ライナスさん」
呼びかけて、私は久しぶりに自分の足で歩いてライナスさんに抱き着いた。
「え!? 奈々実、どうしたの?」
後ろから急に抱き着いた私に、ライナスさんはびっくりしたらしい。
でも、調理の手を止めて私を見ようと身を捩っている。
「ライナスさん。ずっと一緒に居て、支えて、想ってくれてありがとう。ここで私が生活出来てるのはライナスさんのおかげだよ」
私の言葉にライナスさんはふにゃとっした笑顔を浮かべて、言うのだ。
「それは、だって奈々実は大切な番だもの。待っていた、僕のたった一人だよ」
捩っていた身体を、あっさり向かい合う姿勢になるとライナスさんは抱きしめ返してくれる。
「私、普通の平凡な子だよ。でも、ここに来れて良かったって思うの。こんなに大切にされて愛されて、幸せなの。私も、ライナスが好き……」
最後の方は、少し恥ずかしくなってライナスさんに見えないようにその胸に顔をうずめつつ言った。
いつも、好きだよって全力で示すライナスさんに、まだたった一言だけ。
全然返せていないかもしれないけれど、まずは一歩から。
「奈々実!」
ライナスさんは、呼ぶなり抱きしめた腕にさらに力を込めた。
「許しを得たと思っていい?」
その一言に、頷く私を抱えて、ライナスさんと私は初めての夜を迎えたのだった。
ここに来て半年ほどのこと。
後々、他の蛇族女性たちに今回の件を話すことになった時、ライナスさんはめちゃくちゃ番想いの我慢強い男だったという評価を聞くことになるのだった。



