おれが、おまえを、可愛くしてやる。

 なんだか浅葱さん、楽しそう。仕事のときに見せる顔とはまた――別なんだな。

『……ったく。落ち込む暇があったら次の仕事で挽回しろ。部下のために客に頭を下げるのも上司として大切な仕事だ』

 ……これも、仕事のうち、……なのかな。

 と思うと急に……。

「おまえ……悲しいのか? それとも嬉しいのか」

「りょ、……両方……です……きっと」

 流れる涙をそのままに浅葱さんを見据えた。ドライヤーの電源を切った浅葱さんは、ドライヤーをそっとドレッサーのうえに置くと、わたしの右側に回り込み、そして、わたしの目を覗き込むと――

「おまえ。ひょっとするとひょっとして……おれが好きだとか言わねえよな?」

 間髪入れずわたしは答えた。「勿論です」

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