おれが、おまえを、可愛くしてやる。

 ぶいーん、とスイッチを入れるとその風の強さにげらげら笑った。「うわぁああ……これ、風、強すぎません?」

「風量調節が出来るんだよ。ほらここ」とボタンをてきぱきと押して調整してくれるのだが、

「あ……りがとうございます。……って。ふわーお」

「おっまえ」珍しくも浅葱さんが笑った。「……芸人じゃねえんだから。別に受けを狙う必要はないぞ」

 口を開いたところにドライヤーの風を吹き込み、高級ドライヤーの風量を堪能する。……んまっ。

「わー……って一度やってみたかったんですーあー面白ーい。わー……扇風機みひゃぁーいっ」

「……ったく。貸せ」

「あっ……」とドライヤーを奪い取った浅葱さんにからだを向けて、わたしは頭を下げた。「ごめんなさい。ちゃんとやります」

「酒は抜けたようだな。……ま。終電も逃してるだろうし、今夜はうち、泊まってけ。……このベッドを使え」

 疑問に思ってドライヤーを手渡す浅葱さんに尋ねた。「浅葱さんはどちらで眠るんですか」

「リビングのソファー」