「お前は俺のものだ!俺を愛せよ、だが俺は当然いくらでも妾を持つからな!」
こんな宣言をしたのは私の婚約者である馬鹿なフィリップ公爵令息である。
普通の女性ならば悲しみのあまり泣き出したり、または怒り出すのでしょうね。
しかし私は純粋に呆れしか出なかった……!
何故なら私は男と恋愛する気が一切無いからだ!
私と愛しい関係にあるのは侍女であるアンナ……
アンナと私の関係こそ尊いのであって、こんな奴との関係などどうでもいいのだ。
では何故婚約をしているからって?
私も仮にも侯爵家の令嬢である。
当然令嬢の責務としての政略結婚は避けられず、さらに子供自体は欲しいので、そこだけはどうしても男性の力が必要なのだ!
だが恋愛はいらない。私はアンナとの関係さえあればいいのだから……!
だからこそ家柄がいいが浮気者と知られているフィリップとの婚約も応じたのだ。
何故なら浮気されようがどうでもいいのだから……!
しかし私が聞き捨てならないのは、俺を愛せよとかいう戯言だ!
これは二重の意味でありえない!
1、私はお前なんぞ愛する気は無い!
2、自分は浮気をしておきながら、私には一途であれというその非対称性!
とは言え、私がアンナと愛し合っていることは当然秘密だ!
これはバレて白い目で見られるのが嫌というよりは、恋愛とは2人の秘密が多ければ多いほど尊いのだ……!
この尊さを世間のものは分かっていない!
ということで非対称性の舐めた発言について、私は咎めることとする!
「……自分は浮気し放題ですが、私には一途であれと仰るので?」
「その通り!私は男だから当然だ、女であるお前は当然一途であるべきなのだ!」
私はこれを聞いて激怒した!
これは男尊女卑みたいな意味では無い。
この情けない女々しい男が男を語ることが許せなかったからだ!
皮肉にも男と恋愛をする気が無いからこそ、私は男というものを理解しているのだ!
男の強さも!
「フィリップ様が男だと仰るのならあの偉大なる王太子様のように実力主義になったらいかがです?」
「なんだと!?」
王太子様こそ徹底した実力主義で、私からしたら男性を感じる方なのである。
良いお手本がいて助かる!こいつを罵倒できるのだから!
「王太子様ならば、仮に複数の女性をめとられても、その魅力と強さから、女達が離れられずに、黙らせるに違いありませんわ、それを自分は男だからいいけど、お前は女だからダメみたいな、ヘタレ満載の泣き言を言うものが、どうして複数の女性をめとれる強さがあると思うのか!」
「貴様!私を愚弄する気か!」
「あら?女ごときに愚弄される程度の自称男である情けない女々しい男が悪いのでは?女は強い男にそんなことを言う気にはとてもなれませんのよ?」
渾身の嫌味を言ってやった!
あまりの私の言いように切れすぎてめまいをしたのか、
「お前のような奴は許さないからな!」
と戯言を言うも、婚約破棄だ!という勇気すら無い馬鹿……
はぁ……いくら子種と政略結婚のためとはいえ、こいつと夜の生活をするのは流石に嫌だと思うのであった……!
そして私がウンザリして席を外して歩いていると、まさに王太子様に偶然出会うでは無いか!
「マリーでは無いか、今日も婚約者とは上手く行ってないのかな?」
「……王太子様よくご存じですね」
「下らないことに、フィリップが愚痴っておるのでな、あの間抜けにそちのような良い女はもったいないとしか思えぬわ!」
「ええ!?あの馬鹿王太子様に愚痴っているのですか!?」
「……フィリップの父である公爵が私の教育係の1人であったことは知っていよう、昔からの縁に奴は甘えているのでな!」
「……申し訳ありません、まさかあのボケ、王太子様にまでご迷惑をおかけしているなんで……!」
「気にするな、むしろそちのような良い女、私の妾とならぬか?」
また始まった……
王太子様の女好きは病気レベルであり、それなりに良い女と見れば片っ端らから口説きまくる……
とは言え恨まれたりしていない……
断られる前提かのような振る舞いであり嫌味が無いからである!
「……恐れながら、私いくら王太子様が相手でも、妾はお断りしますわ!」
「……もっともだな!忘れてくれ!」
忘れてくれはいいですけど、この会話何度もしてるんですけどね!
王太子様はむしろ覚えていてくださいよ(笑)
まぁ覚えていてやってるんでしょうけどね……!
とそんなことがあったよと、今日もアンナに報告である!
「お嬢様……大変だったんですね!」
「いいのいいの、私はアンナとこうやって話してイチャイチャできるだけで幸せなのだから……!」
「ああ、お嬢様私なんかにもったいのうございます!」
ああ、なんてアンナは可愛いのだろう!
別に私を持ち上げる気は無いんだろうし、卑屈になっている気も無いのだろうけど、自然にこんなことを言える……
……プライドが良くも悪くも高い男性にはとても無理ですわね!
これはフィリップみたいなボケであっても、王太子様みたいな爽やか傲慢なお方であっても同じですからね!
アンナとハグをし合っている時が私の一番の至福の時なのだ……
これがあるから、私は色々我慢して生きていけるのである!
そして今日もフィリップが言いがかりをつけてくる!
「私と結婚する以上、お前は私に一途であること!ただし私は浮気をする!これが貴族の夫と妻というものだ!」
はぁ……本当に情けない!
マジでこいつと仮に子種と政略結婚のためでも寝たくない!
何この制度で決まっているからこうなんだ!みたいな女々しさ!
あーイライラする!
俺がこうしたいからどうだ!くらい言い切ればいっそ潔いのに、この女々しさが耐えられない!
ということで私はついにイライラが頂点に達したのであった!
「結婚はしましょう!政略結婚ですので、しかし白い結婚以外お断りします!」
「何だと!?」
「貴方のようなヘタレと寝るほど、私落ちぶれたくないので!」
「貴様!浮気すると言うのか!?」
「浮気なんてしませんわ、でも私子供は欲しいからいいことを考えたのですわ!」
「何!?」
「私、貴方と寝るくらいならば、王太子様に一夜だけ愛されることにしますわ、それで王太子様との子供を得ることにしますの、それを貴方との子として育てればいいじゃない、王室の血のほうが貴方よりも尊いのだから!」
「な……!」
私のあまりの物言いに、流石に何も言えなくなっている……
だがここで王太子様を侮辱したらお前が不敬になる。
さらにだ、王太子様にとって、あの女好きな方にとって、一夜だけでうるさいことを言わない女とか、きっと利害一致ですからね。
どうせ子種のために男と寝るのが必要ならば、このボケよりは全然いいですからね。
ってことで、私は書類でハッキリ決めてやった!
白い結婚以外認めない
子種は王太子様から得ると
もちろん馬鹿フィリップは発狂したが、王太子様が、
「いいじゃないか、マリーと寝たいしな」などと舐めたことを言うおかげで、何と決まってしまった!
いや私も最初は半分冗談だったのに、フィリップと寝ることを思えばって一心で、まさかこんなことになるなんて……
そしてアンナは言う。
「お嬢様!王太子様から愛されたからって私を見捨てないで下さいね!」
「馬鹿なことを言わないで!王太子様はあくまでも子作りのためよ!そこだけは殿方の力が必要じゃない!でもね、私が愛しているのはアンナだけ!一生そんなことは無いから!」
……今思えば、何か何となくノリで妾を断っていたけど、子種だけもらって、後は放置されるのであれば、王太子様の妾も悪くなかったのでは?と思えるようになった。
まぁ政略結婚って形は貫いて、何とかフィリップと寝なくて済んだからいいんですけどね。
公爵家についても、一応王室との婚約が今まであったから、遠い親戚ではあるんで、ギリギリ王太子様と私の子が後継者でも家さえ存続すればいいのだから。
フィリップの子孫なんかになったら、その子供がかわいそうですしね!
フィリップだが、どうやらこいつは、私という美人妻を持ちながら、安心の保険を持って浮気をしたかったらしい。そして妻に愛されながら愛人も持ちたかったらしい。
何が保険だ!そういう女々しい奴が偉そうに複数の女をはべらそうとするな!
こんな宣言をしたのは私の婚約者である馬鹿なフィリップ公爵令息である。
普通の女性ならば悲しみのあまり泣き出したり、または怒り出すのでしょうね。
しかし私は純粋に呆れしか出なかった……!
何故なら私は男と恋愛する気が一切無いからだ!
私と愛しい関係にあるのは侍女であるアンナ……
アンナと私の関係こそ尊いのであって、こんな奴との関係などどうでもいいのだ。
では何故婚約をしているからって?
私も仮にも侯爵家の令嬢である。
当然令嬢の責務としての政略結婚は避けられず、さらに子供自体は欲しいので、そこだけはどうしても男性の力が必要なのだ!
だが恋愛はいらない。私はアンナとの関係さえあればいいのだから……!
だからこそ家柄がいいが浮気者と知られているフィリップとの婚約も応じたのだ。
何故なら浮気されようがどうでもいいのだから……!
しかし私が聞き捨てならないのは、俺を愛せよとかいう戯言だ!
これは二重の意味でありえない!
1、私はお前なんぞ愛する気は無い!
2、自分は浮気をしておきながら、私には一途であれというその非対称性!
とは言え、私がアンナと愛し合っていることは当然秘密だ!
これはバレて白い目で見られるのが嫌というよりは、恋愛とは2人の秘密が多ければ多いほど尊いのだ……!
この尊さを世間のものは分かっていない!
ということで非対称性の舐めた発言について、私は咎めることとする!
「……自分は浮気し放題ですが、私には一途であれと仰るので?」
「その通り!私は男だから当然だ、女であるお前は当然一途であるべきなのだ!」
私はこれを聞いて激怒した!
これは男尊女卑みたいな意味では無い。
この情けない女々しい男が男を語ることが許せなかったからだ!
皮肉にも男と恋愛をする気が無いからこそ、私は男というものを理解しているのだ!
男の強さも!
「フィリップ様が男だと仰るのならあの偉大なる王太子様のように実力主義になったらいかがです?」
「なんだと!?」
王太子様こそ徹底した実力主義で、私からしたら男性を感じる方なのである。
良いお手本がいて助かる!こいつを罵倒できるのだから!
「王太子様ならば、仮に複数の女性をめとられても、その魅力と強さから、女達が離れられずに、黙らせるに違いありませんわ、それを自分は男だからいいけど、お前は女だからダメみたいな、ヘタレ満載の泣き言を言うものが、どうして複数の女性をめとれる強さがあると思うのか!」
「貴様!私を愚弄する気か!」
「あら?女ごときに愚弄される程度の自称男である情けない女々しい男が悪いのでは?女は強い男にそんなことを言う気にはとてもなれませんのよ?」
渾身の嫌味を言ってやった!
あまりの私の言いように切れすぎてめまいをしたのか、
「お前のような奴は許さないからな!」
と戯言を言うも、婚約破棄だ!という勇気すら無い馬鹿……
はぁ……いくら子種と政略結婚のためとはいえ、こいつと夜の生活をするのは流石に嫌だと思うのであった……!
そして私がウンザリして席を外して歩いていると、まさに王太子様に偶然出会うでは無いか!
「マリーでは無いか、今日も婚約者とは上手く行ってないのかな?」
「……王太子様よくご存じですね」
「下らないことに、フィリップが愚痴っておるのでな、あの間抜けにそちのような良い女はもったいないとしか思えぬわ!」
「ええ!?あの馬鹿王太子様に愚痴っているのですか!?」
「……フィリップの父である公爵が私の教育係の1人であったことは知っていよう、昔からの縁に奴は甘えているのでな!」
「……申し訳ありません、まさかあのボケ、王太子様にまでご迷惑をおかけしているなんで……!」
「気にするな、むしろそちのような良い女、私の妾とならぬか?」
また始まった……
王太子様の女好きは病気レベルであり、それなりに良い女と見れば片っ端らから口説きまくる……
とは言え恨まれたりしていない……
断られる前提かのような振る舞いであり嫌味が無いからである!
「……恐れながら、私いくら王太子様が相手でも、妾はお断りしますわ!」
「……もっともだな!忘れてくれ!」
忘れてくれはいいですけど、この会話何度もしてるんですけどね!
王太子様はむしろ覚えていてくださいよ(笑)
まぁ覚えていてやってるんでしょうけどね……!
とそんなことがあったよと、今日もアンナに報告である!
「お嬢様……大変だったんですね!」
「いいのいいの、私はアンナとこうやって話してイチャイチャできるだけで幸せなのだから……!」
「ああ、お嬢様私なんかにもったいのうございます!」
ああ、なんてアンナは可愛いのだろう!
別に私を持ち上げる気は無いんだろうし、卑屈になっている気も無いのだろうけど、自然にこんなことを言える……
……プライドが良くも悪くも高い男性にはとても無理ですわね!
これはフィリップみたいなボケであっても、王太子様みたいな爽やか傲慢なお方であっても同じですからね!
アンナとハグをし合っている時が私の一番の至福の時なのだ……
これがあるから、私は色々我慢して生きていけるのである!
そして今日もフィリップが言いがかりをつけてくる!
「私と結婚する以上、お前は私に一途であること!ただし私は浮気をする!これが貴族の夫と妻というものだ!」
はぁ……本当に情けない!
マジでこいつと仮に子種と政略結婚のためでも寝たくない!
何この制度で決まっているからこうなんだ!みたいな女々しさ!
あーイライラする!
俺がこうしたいからどうだ!くらい言い切ればいっそ潔いのに、この女々しさが耐えられない!
ということで私はついにイライラが頂点に達したのであった!
「結婚はしましょう!政略結婚ですので、しかし白い結婚以外お断りします!」
「何だと!?」
「貴方のようなヘタレと寝るほど、私落ちぶれたくないので!」
「貴様!浮気すると言うのか!?」
「浮気なんてしませんわ、でも私子供は欲しいからいいことを考えたのですわ!」
「何!?」
「私、貴方と寝るくらいならば、王太子様に一夜だけ愛されることにしますわ、それで王太子様との子供を得ることにしますの、それを貴方との子として育てればいいじゃない、王室の血のほうが貴方よりも尊いのだから!」
「な……!」
私のあまりの物言いに、流石に何も言えなくなっている……
だがここで王太子様を侮辱したらお前が不敬になる。
さらにだ、王太子様にとって、あの女好きな方にとって、一夜だけでうるさいことを言わない女とか、きっと利害一致ですからね。
どうせ子種のために男と寝るのが必要ならば、このボケよりは全然いいですからね。
ってことで、私は書類でハッキリ決めてやった!
白い結婚以外認めない
子種は王太子様から得ると
もちろん馬鹿フィリップは発狂したが、王太子様が、
「いいじゃないか、マリーと寝たいしな」などと舐めたことを言うおかげで、何と決まってしまった!
いや私も最初は半分冗談だったのに、フィリップと寝ることを思えばって一心で、まさかこんなことになるなんて……
そしてアンナは言う。
「お嬢様!王太子様から愛されたからって私を見捨てないで下さいね!」
「馬鹿なことを言わないで!王太子様はあくまでも子作りのためよ!そこだけは殿方の力が必要じゃない!でもね、私が愛しているのはアンナだけ!一生そんなことは無いから!」
……今思えば、何か何となくノリで妾を断っていたけど、子種だけもらって、後は放置されるのであれば、王太子様の妾も悪くなかったのでは?と思えるようになった。
まぁ政略結婚って形は貫いて、何とかフィリップと寝なくて済んだからいいんですけどね。
公爵家についても、一応王室との婚約が今まであったから、遠い親戚ではあるんで、ギリギリ王太子様と私の子が後継者でも家さえ存続すればいいのだから。
フィリップの子孫なんかになったら、その子供がかわいそうですしね!
フィリップだが、どうやらこいつは、私という美人妻を持ちながら、安心の保険を持って浮気をしたかったらしい。そして妻に愛されながら愛人も持ちたかったらしい。
何が保険だ!そういう女々しい奴が偉そうに複数の女をはべらそうとするな!

