ふぅ〜。
トイレから出る。
「つ、疲れた〜。」
ハンカチをポケットにしまい、天井、床、壁などをあらためて見る。
ほんと、豪邸だよね……。すごい……
なんか自分がここにはいてはいけない気がして、そわそわする。
ていうか、帰り道どうすればいいっ?
あ、れ……?
ノソ、となにか黒い物体が出てきた
「お腹、空いた……」
わ、私を見て言わないでっ……!
「ちょうだい……。お菓子……」
私に向かって近づいてくる。
な、なんなのっ?
ついに至近距離まで……。
で、でも、顔……
めっちゃ綺麗……。
ブラックブルーのセンター分けに、深い紫の瞳。
整った二重で、若干猫目。
肌白いし……。
ぶかっとした黒のパーカーさえも、絵になる程の美しさ。
思わずまじまじと見つめてしまう。
戸惑ったのか、すっと視線を床に落とし、フードを深く被る男の子。
「み、見ないでください……」
「えぇっ、そんな……」
綺麗なお顔なのにっ……。
もっと見たいっ……!
「もう、隠してないでっ!もったいないよっ」
フードを無理矢理上げようとする。
「や、やだぁぁ……」
お互い本気の戦い。
私は闘志を燃やし、その子は必死で守備重視。
「わわっ……」
「……っ」
ドンッ。
彼の手が、私のすぐ横の床につく。
「へ……?」
何が、起こったの……?
状況を観察してみると。
わ、私……、床ドンされてるっ
その男の子自身も何が起こったのか理解していないみたいで。
固まって、目の瞳孔を開いている。
もう鼻と鼻があと1ミリで触れ合うくらい────
近い。
自然で清潔感のあるシャンプーの香りが、ふわりと私の鼻にも届いてきた。
「……髪、綺麗。」
「えっ。いや、」
「……触ってもいいですか。」
せめて「?」つけてよっ……
一房、私のロングヘアをすくい上げる。
そして────────、
ちゅっ。
可愛いリップ音と共に、私の髪が──────、
────キス、された。
「えええっ」
いや、初対面ですよね?
あの、どういうことですか?
パーソナルスペースって言葉、知ってますか?
「……ごめんなさい。つい……。」
顔が紅潮し、照れたように頬をかいている男の子。
「い、いやいやいやっ」
つい、で済む話じゃないでしょっ
「あんたが、可愛いのが悪いんです……。澪のものにしちゃ、だめですか……?」
「わ、私は誰のものでもなくって……」
「……鈍感ですね。あと、髪の色……好み、です。地毛ですか。」
ど、鈍感っ……
てか床ドンの体勢早く直してぇっ
「じ、地毛だけど、その前に……、」
「喋んないでください。………理性死ぬんで。」
口を、塞がれた。
息は……、できるけど……
なんか理不尽……。
そもそも理性死ぬってなに?
どゆこと……?
「……君たちぃ〜?」
「「……っ〜!?」」
バッとほぼシンクロに私と男の子は声のする方向へ振り向いた。
「イチャイチャ、かあ〜……。」
にこり、と効果音がつきそうなくらい、感情が読めない笑顔で、こう言った。
「……ん〜、そろそろ怒っちゃうかも♡」
えぇっ、怖いよぉっ!
「ご、ごめんなさいっ」
私を床ドンしていた男の子は、すぐに立ち上がり、一目散に逃げて行った。
「う、裏切り者……」
「……琴音〜。僕の部屋、行こっか?」
「は、はい……」
部屋で何する気だろう……
拷問?火あぶり?むち打ち?
どっちにしろ怖いものには変わりないっ……
「ここだよ。僕の部屋。……さっきのは青雲 澪って奴。17歳で、三男だよ。要注意人物ね♡」
「う、うん〜。おっけー。」
内心ハラハラしながらも、平静を装う。
「な、何をするの……?」
「ん〜、なんだろうね〜。」
はぐらかされるのが、一番怖いっ……
ギギギッ、とドアが開く。
私の16年間の人生、終わったかもっ……
~~~~ ~~~~
トイレから出る。
「つ、疲れた〜。」
ハンカチをポケットにしまい、天井、床、壁などをあらためて見る。
ほんと、豪邸だよね……。すごい……
なんか自分がここにはいてはいけない気がして、そわそわする。
ていうか、帰り道どうすればいいっ?
あ、れ……?
ノソ、となにか黒い物体が出てきた
「お腹、空いた……」
わ、私を見て言わないでっ……!
「ちょうだい……。お菓子……」
私に向かって近づいてくる。
な、なんなのっ?
ついに至近距離まで……。
で、でも、顔……
めっちゃ綺麗……。
ブラックブルーのセンター分けに、深い紫の瞳。
整った二重で、若干猫目。
肌白いし……。
ぶかっとした黒のパーカーさえも、絵になる程の美しさ。
思わずまじまじと見つめてしまう。
戸惑ったのか、すっと視線を床に落とし、フードを深く被る男の子。
「み、見ないでください……」
「えぇっ、そんな……」
綺麗なお顔なのにっ……。
もっと見たいっ……!
「もう、隠してないでっ!もったいないよっ」
フードを無理矢理上げようとする。
「や、やだぁぁ……」
お互い本気の戦い。
私は闘志を燃やし、その子は必死で守備重視。
「わわっ……」
「……っ」
ドンッ。
彼の手が、私のすぐ横の床につく。
「へ……?」
何が、起こったの……?
状況を観察してみると。
わ、私……、床ドンされてるっ
その男の子自身も何が起こったのか理解していないみたいで。
固まって、目の瞳孔を開いている。
もう鼻と鼻があと1ミリで触れ合うくらい────
近い。
自然で清潔感のあるシャンプーの香りが、ふわりと私の鼻にも届いてきた。
「……髪、綺麗。」
「えっ。いや、」
「……触ってもいいですか。」
せめて「?」つけてよっ……
一房、私のロングヘアをすくい上げる。
そして────────、
ちゅっ。
可愛いリップ音と共に、私の髪が──────、
────キス、された。
「えええっ」
いや、初対面ですよね?
あの、どういうことですか?
パーソナルスペースって言葉、知ってますか?
「……ごめんなさい。つい……。」
顔が紅潮し、照れたように頬をかいている男の子。
「い、いやいやいやっ」
つい、で済む話じゃないでしょっ
「あんたが、可愛いのが悪いんです……。澪のものにしちゃ、だめですか……?」
「わ、私は誰のものでもなくって……」
「……鈍感ですね。あと、髪の色……好み、です。地毛ですか。」
ど、鈍感っ……
てか床ドンの体勢早く直してぇっ
「じ、地毛だけど、その前に……、」
「喋んないでください。………理性死ぬんで。」
口を、塞がれた。
息は……、できるけど……
なんか理不尽……。
そもそも理性死ぬってなに?
どゆこと……?
「……君たちぃ〜?」
「「……っ〜!?」」
バッとほぼシンクロに私と男の子は声のする方向へ振り向いた。
「イチャイチャ、かあ〜……。」
にこり、と効果音がつきそうなくらい、感情が読めない笑顔で、こう言った。
「……ん〜、そろそろ怒っちゃうかも♡」
えぇっ、怖いよぉっ!
「ご、ごめんなさいっ」
私を床ドンしていた男の子は、すぐに立ち上がり、一目散に逃げて行った。
「う、裏切り者……」
「……琴音〜。僕の部屋、行こっか?」
「は、はい……」
部屋で何する気だろう……
拷問?火あぶり?むち打ち?
どっちにしろ怖いものには変わりないっ……
「ここだよ。僕の部屋。……さっきのは青雲 澪って奴。17歳で、三男だよ。要注意人物ね♡」
「う、うん〜。おっけー。」
内心ハラハラしながらも、平静を装う。
「な、何をするの……?」
「ん〜、なんだろうね〜。」
はぐらかされるのが、一番怖いっ……
ギギギッ、とドアが開く。
私の16年間の人生、終わったかもっ……
~~~~ ~~~~



