この家、全員まともじゃない。

Side:青雲 蓮



「じゃあね〜」


俺は手を振って、トイレを去る。


なんだろ、あの子。超可愛い。


さっさと落として、次に行こ〜っと。


リビングに戻ると、あいつらが居た。


なーんかいっつも同じメンツで超つまんな。


あのコミュ障の澪はどこ行ったよ。


もう死んでるくね?


「あ、蓮兄〜」


「思ったんだが、なぜ蓮には"蓮兄"で俺には普通に零夜なんだ?」


「知らねぇよ。俺にだけ尊敬心あるんじゃない?腹黒には敬意示したくないって。」


「え〜、分かったよ。零夜兄♡」


「キモいからやめろ。」


「どっちかなぁ?」


こいつも大概腹黒だよな。


本性見せない感じ、正直不気味。


「……藍は彼女できた?」


もしかしたら、好きなヤツができたら、本性を見せてくれるかもしれないし。


「急に話題変わるね〜。もうとっくにできてるよ〜」


「……え」


俺は目を見開いた。


「藍に、彼女……?え、冗談ウケる。」


「ぷぷっ……。それはさすがに失礼じゃないか?蓮。」


零夜……。お前に共感できる日が来るとは。


めっちゃ感動だわ……。


「なになに?2人揃って。もしかして僕に彼女ができないとでも?」


ぷくっと頬を膨らませて、怒ってるアピールをする藍。


なーんか作りっぽいな。


「じゃあ誰だ?もしかしてどこの馬の骨かも分からない、如月 琴音か?」


誰だよそれ。俺の知らないやつ?


「あ、そ〜そ〜。あの ぎ・あ・ね ♡」


パチンと完璧なウインク。


相変わらずあざとっ……


「えー俺知らないんだけど。あ、もしかしてあの、明るめのホワイトブロンドの髪の……なんだっけ。……そうだ、ゆるふわロングを二つ結びにした超絶可愛い子?」


「うん、それ〜。ハニーアンバーの若干タレ目のぱっちり二重の子だよ。」


「お前ら……、キモいぞ……」


なんでだよ、ってツッコむ。


だって可愛い子の髪色把握してるのは当然。


分かってなかったら男として失格だろ。


「じゃ、そいつが好きなの?」


「は?彼女だけど♡」


……おい、今一瞬素が出たろ。


まあ視線が痛いので黙っとく。


「いや、違う。今日拾ったそうだ。道端で座り込んでいたらしい。」


「……お前の思い込みじゃん。ダッサ。」


本音がつい出てしまった。


「……会って間もない奴を好きになるのは、不誠実だと思うがな。」


さすが長男。分かってる♪


俺もノリノリで藍の肩に手を置く。


「そーだよ、藍。俺恋愛経験豊富かつ元カノ10人以上いるから安心しな。」


「……振られた人が可哀想。」


今ボソッと毒吐いたよな?


「は?違ぇよ。まあ確かにそうだけど、お遊び程度の感覚なの。分かる?童貞。」


「恋愛をする場合、親しき仲にも礼儀ありということわざを忘れずにな。……まあ、俺も即振るだろうが。」


「……僕の兄さん達、ちょっとアレだね〜アレ。」


あ、なんだよ?地味にムカつく。末っ子のくせに。


まあ俺は大人なので余裕の態度を取る。


「てか、琴音ちゃんはどこ行った。」


「話題変えたね〜。……あとちゃん付けキモ。」


「最後のが聞こえなかったわー」


「低次元の戦いはやめろ。」


ちっ、どいつもこいつも厄介だな。


そういえば、琴音ちゃん、トイレ遅くないかな。


また迷ってるとか?


迎えに行くのも面倒いし、やーめよっと。


~~~~ ~~~~