この家、全員まともじゃない。

「ここだよっ。お疲れ様〜」


「う、うん……」


いや、なんなんだろうっ……


急に走ったり、途端に遅くなったり……


不思議だけど、今はそれどころではなくて……


大きすぎる豪華な建物を見上げる。


ここ、豪邸っ……?


「で、でかっ……」


思わず本音が盛れる。


はっとして口を慌てて押さえた。


もしかしたら、失礼だったかも、しれない……


そんな私を、男の子はふと見て。


「……ふふっ。」


まるで面白いものを見るように、見下ろした。


し、身長差……


屈辱的……、だけどっ……仕方ない……っ


「……身長、何センチ?」


「……っ」


びっくりして振り向くと、真後ろに男の子がいた。


……ふぇっ?


綺麗な顔面……


……って、見惚れてる場合じゃないっ……


「な、なんですか?152ですけど……っ」


「へー。僕は172だけどね。」


ま、マウントっ……?


別に、対して変わらないでしょっ……


「身長差、20センチかぁ〜。」


私の心を読んだかのように、口角を上げながらわざとらしく見下ろしてくる。


う、上から目線……


で、でもいつか追い越してやるっ……


……って、なんで出会って間もない人にライバル心燃やしてるんだろ……


なんかおかしくって、笑ってしまう。


男の子は特に驚きもせず、にこっと笑った。


「じゃあ、行こっか。」


「えっ?」


ぐいっと、思いっきり手を引かれ、豪邸に入ってしまう。


いや、庶民が入っちゃダメでしょっ……!?


とにかく、手を掴まれているので、逃げ出すことはできない。


とりあえず、見渡してみると────


「えっ……。」


ひ、広っ……!


なにここ……?


もうお城じゃん。


床は大理石、リビングは体育館一個分。


な、なんなの……?


すると、壁の角から、物陰が現れた。


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