***
ステージが進み、最後のアピールタイムで
司会者が興奮気味に彼にマイクを向けた。
「佐伯さん、最後に会場の皆さんに一言お願いします!理想のデートや、好きなタイプについても気になっている子が多いみたいですよ!!」
会場が静まり返る。
颯はゆっくりとマイクを口元に寄せた。
そして彼は、再び——
迷いなく私だけを見つめた。
「理想のタイプ……ですか。俺には、俺がいないと何もできない、放っておけない子が一人いるんです。……不器用で、すぐ迷子になって、俺が支えてあげないと壊れてしまいそうな——」
「そんな、世界で一番大切な子が」
会場から「キャー!」と
悲鳴に近い歓声が上がる。
「だから、その子と死ぬまで一緒にいられたら……それ以上に望むことはありません」
『キャァァァッ!!』
『プロポーズ!? 公開告白なの!?』
『その子、誰!? 羨ましすぎる……!』
爆発するような歓声。
(それって……)
私の心臓が、痛いくらいに鳴っていた。
観客たちは、これを
「王子様による最高のロマンチックな告白」
だと言って受け取った。
けれど、私を見つめる
火傷しそうなほどの熱い視線は、
獲物を捉えた獣のように、
「もう逃がさない」という底知れない
執念にも見えた。
「——あいつ、やりやがった」
横で碧くんが、目を細めながら低くつぶやく。
「大勢の目を利用して、美桜ちゃんを『自分のもの』だってわからせるように、外堀から埋めていく……巧妙高い最悪な王子様だよ、本当」
その言葉を聞いた私は、
一瞬、息が止まりそうになった。
颯は、自分を取り巻く
すべてを『駒』にして、
私の逃げ道を一つずつ、
美しく塞いでいく——
まさに、碧くんの言う通り。
(ああ、そうだったんだ……)
夏休み頃から、
彼が不自然なほど寛容だったのも。
碧くんとの接触を許し、
夜遅くの帰宅を笑顔で迎え、
私に「自由」を味わせていたのも。
——すべては、私が今日。
自分の足でこのステージの前にたどり着くため。
私が碧くんという光に
手を伸ばせば伸ばすほど、
それを一瞬で自分の色に変えるための
「最高の舞台」を、
彼は虎視眈々と準備していたのだ。
ステージが進み、最後のアピールタイムで
司会者が興奮気味に彼にマイクを向けた。
「佐伯さん、最後に会場の皆さんに一言お願いします!理想のデートや、好きなタイプについても気になっている子が多いみたいですよ!!」
会場が静まり返る。
颯はゆっくりとマイクを口元に寄せた。
そして彼は、再び——
迷いなく私だけを見つめた。
「理想のタイプ……ですか。俺には、俺がいないと何もできない、放っておけない子が一人いるんです。……不器用で、すぐ迷子になって、俺が支えてあげないと壊れてしまいそうな——」
「そんな、世界で一番大切な子が」
会場から「キャー!」と
悲鳴に近い歓声が上がる。
「だから、その子と死ぬまで一緒にいられたら……それ以上に望むことはありません」
『キャァァァッ!!』
『プロポーズ!? 公開告白なの!?』
『その子、誰!? 羨ましすぎる……!』
爆発するような歓声。
(それって……)
私の心臓が、痛いくらいに鳴っていた。
観客たちは、これを
「王子様による最高のロマンチックな告白」
だと言って受け取った。
けれど、私を見つめる
火傷しそうなほどの熱い視線は、
獲物を捉えた獣のように、
「もう逃がさない」という底知れない
執念にも見えた。
「——あいつ、やりやがった」
横で碧くんが、目を細めながら低くつぶやく。
「大勢の目を利用して、美桜ちゃんを『自分のもの』だってわからせるように、外堀から埋めていく……巧妙高い最悪な王子様だよ、本当」
その言葉を聞いた私は、
一瞬、息が止まりそうになった。
颯は、自分を取り巻く
すべてを『駒』にして、
私の逃げ道を一つずつ、
美しく塞いでいく——
まさに、碧くんの言う通り。
(ああ、そうだったんだ……)
夏休み頃から、
彼が不自然なほど寛容だったのも。
碧くんとの接触を許し、
夜遅くの帰宅を笑顔で迎え、
私に「自由」を味わせていたのも。
——すべては、私が今日。
自分の足でこのステージの前にたどり着くため。
私が碧くんという光に
手を伸ばせば伸ばすほど、
それを一瞬で自分の色に変えるための
「最高の舞台」を、
彼は虎視眈々と準備していたのだ。

