クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日

その真っ直ぐな言葉が、俺の頭の中の理屈を、一瞬で黙らせた。
ああ、俺はかなわない。彼女には、最初からかなわなかったんだ。

「……そうか…」

短く答え、俺は彼女の細い体を腕の中に閉じ込めた。
壊してしまわないように、けれど二度と離さないという切実な強さで抱き寄せ、その柔らかな首筋に顔を埋める。

「……もう、隠さない。……全部、打ち明けるよ」

耳元に、自分でも驚くほど熱い息がこぼれた。

「……りんりん。……ずっと……好きだった。プロジェクトの最初から、ずっとだ。……俺と、付き合ってくれないか」

その言葉を聞いた瞬間、彼女の体がびくっと跳ねた。

「……っ、ずるいです、先輩……」

彼女は、俺のシャツを掴んでいた手にさらに力を込め、俺の胸に顔を押し付けた。

「……私だって、ずっと……でした。……最初は、怖い人…って思ってたけど……
……でも、プレゼンで助けてもらった時、本当は優しい人なんだって……
それから、先輩のことを知るたびに……どんどん好きになって……」

鼻にかかった、震える声。彼女がこれまで一人で飲み込んできた想いの重さに、俺は胸を強く打たれた。