クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日

有無を言わせぬその勢いに、俺はただ呆気にとられるしかない。

今日、彼女がどうしてこんなにもテンションが高いのか。なぜこんなに距離が近いのか。
思考を巡らせようにも、すっかり安堵で緩んでしまった頭では、うまく答えがまとまらなかった。

(……まあ、いいか。……コンプラ沙汰という最悪の事態だけは免れたんだ)

小さく息を吐きながら、俺は運ばれてきた新しいグラスに手を伸ばした。