クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日

「……『責任は全部俺が持ちます。あいつの可能性を、あんたの保身で潰さないでくれ』……って、……まあ、少しだけ熱くなったかもしれない」

「……わっ、かっこいい……! 先輩、それ、少女漫画のヒーローみたいじゃないですか!」

「……茶化すな。……その後のパネルミスの時、部長、手伝いに来てくれただろ? あれ、実は裏で『ほら見ろ、言わんこっちゃない!』って、かなり絞られてたんだぞ(苦笑)」

「えっ! あの深夜の修正作業……部長がカッター持って手伝ってくれたのって、先輩に『責任取れ!』のついでだったんですか!?」

「ああ。……でも、状況を伝えたら手伝う気満々で。結局最後まで付き合ってくれただろ。……部長、口は悪いが現場の根性には弱いんだよ」

「あはは! じゃあ、私と先輩のコンビに、部長も負けちゃったんですね。……あーあ、そんなに私のこと信じてくれてたんですね。……もう、先輩ってば!」

わざとらしく、彼女が俺の肩にコツンと身を寄せてくる。
体温と、ほんのり甘い香りが、アルコールで少し緩んできた思考を揺さぶる。