クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日

駅隣の繁華街。
「謝罪の場」として重い足取りで歩く俺の隣で、彼女の足取りは、隠しきれないほど弾んでいた。

「そういえば先輩、最近そっちのチームの進捗どうなんですか? 部長、相変わらず無茶振りしてません?」
「え……あ、ああ。まあ、相変わらずだ。……それより、りんりん、お前なんか今日……」
「私ですか? 私は絶好調ですよ! あっあのお店ですね! あーお腹すいた〜!」

(……なんだ、この異常なテンションは…)

俺を気遣って無理に明るく振る舞っている……にしては、どこか違和感がある。
……怒りのあまり、おかしくなってしまったのか……?

(……どちらにせよ、俺は真摯に謝罪するしかない…)

彼女が指さす店を確認すると、どうやら大衆居酒屋のようだった。

(……居酒屋か…アルコールは極力セーブしないとな)

俺は戸惑いながら、彼女に続いて赤提灯の暖簾をくぐった。