19時半、駅の南口。
人の波に紛れるように改札前の脇に立ち、今夜言うべき言葉を頭の中で繰り返していた。
背後から、聞き慣れた声が飛んできたのはその時だった。
「先輩! お待たせしました!」
「あ……りんりん。いや、今来たところだ」
振り向いた瞬間、胸が詰まった。
彼女はいつも通り明るく笑っていた。
まるで、今夜が気まずい話し合いの場などではないかのように。
……いや、違う。
きっとこれは、彼女なりの気遣いなのだろう。
必要以上に緊張している俺を見て、わざといつも通り振る舞ってくれている。
「それじゃ、行きましょう! こっちです、先輩!」
「あ、おい……そんなに急がなくても」
「ダメですっ。私、もうお腹ペコペコなんですよ〜! 良さそうなお店予約してるので早く行きましょう!」
その勢いのまま、一瞬だけ袖を引かれる。
たったそれだけの軽い接触に、心臓が情けないほど跳ねた。
「分かった、分かったから……」
観念したようにそう返し、俺は小さく息を吐きながら彼女の後ろを歩き出した。
人の波に紛れるように改札前の脇に立ち、今夜言うべき言葉を頭の中で繰り返していた。
背後から、聞き慣れた声が飛んできたのはその時だった。
「先輩! お待たせしました!」
「あ……りんりん。いや、今来たところだ」
振り向いた瞬間、胸が詰まった。
彼女はいつも通り明るく笑っていた。
まるで、今夜が気まずい話し合いの場などではないかのように。
……いや、違う。
きっとこれは、彼女なりの気遣いなのだろう。
必要以上に緊張している俺を見て、わざといつも通り振る舞ってくれている。
「それじゃ、行きましょう! こっちです、先輩!」
「あ、おい……そんなに急がなくても」
「ダメですっ。私、もうお腹ペコペコなんですよ〜! 良さそうなお店予約してるので早く行きましょう!」
その勢いのまま、一瞬だけ袖を引かれる。
たったそれだけの軽い接触に、心臓が情けないほど跳ねた。
「分かった、分かったから……」
観念したようにそう返し、俺は小さく息を吐きながら彼女の後ろを歩き出した。
