響け!沈黙のレクイエム

「ヒムレン!」

レオンハルトが呪文を唱えると、二人の体が上へ上へと引っ張られるように上がっていく。そして二人は抱き締め合ったまま海を飛び出し、宙に浮かぶ。

「ハリエット。大丈夫かい?私たちが来たからもう大丈夫だよ」

レオンハルトはハリエットの頬を撫でる。ハリエットの目から涙が溢れた。

「レオンハルトさん……。私の、名前……」

「君の本当の名前だろう?ハリエット」

ハリエットが泣きじゃくる。レオンハルトはその頭を優しく撫でた。その時、一隻の小型船が近付いてくる。ジョセフが乗っている船ではない。

「ハリエット〜!!助けに来たぞ〜!!」

船の上でアントーニョが叫んでいる。オルハン、マーガレット、カナタも「ハリエット!!」と叫んでいた。ちなみに、船の操縦桿を握っているのはルートヴィッヒである。

「皆さん……」

ハリエットが泣きながら息を吐く。その姿を見て、レオンハルトの胸が締め付けられた。そんな彼は冷たい視線を感じ、顔を上げる。ジョセフの乗った船が戻ってきていた。

「ジッキンゲン……!!」

ジョセフがレオンハルトを睨み付ける。彼も冷ややかな目をジョセフに向けた。

戦いが、幕を開ける。