実は俺、男なんだよね。

私は、正真正銘の平凡女子だ。

何の取り柄もない、ただの人間。

強いて言えば、両親が海外に行って一人暮らししてるって事かな。

そんな私が、今教室で本を読んでいるわけですが。

「のーんっ!」

「ひぇあっ」

急に後ろから抱きつかれたもので、変な声出しちゃった……、

そう、私の名前は 小鳥遊 乃音。

名前も普通でしょ?( 多分 )

「もういつ見ても可愛い〜。」

私の頬をぷにぷにと触りながら、黒髪のロングへアをさらさらと揺らしている、安西 聖奈ちゃん。

とっても美人さんで、陽キャなんだ。

お互い微笑み合っていると、終了のチャイムが鳴った。

もう下校じゃん。早くない?

少し不満を持ちながらも、カバンを肩にかけてトコトコ歩く。

「ああっ、今日委員会あるしっ……。じゃあね!」

仏様のポーズをして、早歩きで去っていく聖奈ちゃん。

私は笑顔で手を振って、靴箱に向かう。

すると、私の不注意で、背が高い人と勢いよくぶつかってしまう。

「うわっ……」

地味に転ぶ。

「……何、お前。どんくさ。」

「いててっ……」

もう、痛いっ……。

何、お前って……、こっちのセリフですけど……?

恨めしげに見上げると────

息が、止まった。

まさに絶世の美女と言っても過言じゃない……

セミロングの淡い水色の髪、サファイアのように深い美しすぎる瞳、高い鼻、白い肌、きっちりとした二重。

い、イケメンとも言える……

こんな綺麗な人……、存在する?

唖然として見惚れていると、その女の子は「 ちっ 」と舌打ちした。

なっ……。感じ悪……

「せ、性格悪い女の子はモテないですよ?」

彼女の美しすぎる美貌に圧倒されながらも、負けじと言い返す。

「あ、黙れや。」

いや、声低っ……