紫色の恋をした

「翠。ずっとこうしたかった」

碧が私を抱き締める。ドキドキし過ぎて苦しい。でも、何よりも幸せだ。

「碧。ピアノ弾かないとママに怪しまれるから」

私は部屋に置かれたピアノの前に座る。すると、碧も隣に座った。

「特等席で見させてよ」

「うん」

私の指が鍵盤の上を踊り出す。弾き始めたのは、最近ピアノ教室で課題として渡されたリストのラ・カンパネラ。イタリア語で「小さな鐘」や「鈴」という意味を持つこの楽曲は、高音域で鐘の音や響きをピアノで表現している。

ピアノを弾いている最中、碧の指が悪戯に私の肩を叩いた。私が碧の方に顔を向ければ、唇がまた触れる。驚いたせいで弾く鍵盤がズレてしまった。

「もう!碧!」

私が抗議の声を上げようとすると、それすら唇で封じられてしまう。何度もキスされるうちに怒りが収まる私はチョロいんだろうけど。

「翠、すごく可愛い。綺麗。何で翠と血が繋がってるんだろ。血が繋がってなかったら、もっと堂々とイチャつけるのに」