イケメン男子はわたしのワンコくん!

「小林さんって、東京に住んでたんでしょ?」

「なんでこんなとこに来ることになったの?」

「やっぱ芸能人って見たことあるの?」


朝のホームルームが終わるとすぐ、クラスメート達に囲まれた。


「え、えっと……」


もしかしたら、他のクラスの人もいるのかもしれない。
あちこちから飛んでくる質問に目が回る。

そんなわたしを助けてくれたのは、浅間さんだった。


「ちょっと、質問責めにするから小林さん困ってんじゃん!」

「えー、だってぇ……」

「だってじゃないよ。転校してきたばっかで慣れないのに、みんなでそんなに質問してたら迷惑でしょ。はい、とりあえず散った散った!」

浅間さんが手を叩いて声をかけると、「えー」と少し不満げな声を上げながらも、みんな離れていってくれた。


「あ、ありがとう……」

「ううん、全然。ていうか、困らせちゃってごめんね。なんていうか、みんな小林さんと仲良くなりたいだけで、悪気があるわけじゃないから」


浅間さんの言葉にコクンと頷きながら、少し複雑な気持ちになる。

 
仲良くなりたいだけ、か……。
そう思ってくれているなら嬉しい。でも……。


机の下に隠したわたしの手は、少し震えていた。