「うーん、彼女って呼べる人はいないかな。でも、好きな人ならハッキリしてるよ」
にっこり笑って答えたハル。
するとみんな「えっ、誰!?」「どんな人!?」と、口々に質問を投げかける。
ハルの好きな人。
それを聞いた瞬間、正直嫌な予感はした。
だって、ハルの一番身近な人間……好きって言えるような人は──。
「結芽ちゃん、だよ」
くるっと振り返って、わたしに笑顔を向けたハル。
パタパタと大きく振られる尻尾が、わたしの目にだけ見える。
「百瀬くんの好きな人って……え、えーっ!?」
教室中に起こる響めき。
「ちっ、違う!ハルの好きって言うのはそういうのじゃなくてっ……!」
わたしは立ち上がって、大きな声で否定した……けど、その後が大変だった。



