「この服とか、おばあちゃんが買ってくれたんだよ!」
白のパーカーに紺のパンツを履いたハルが、嬉しそうに手を伸ばす。
無邪気なその笑顔からは、人間になったことへの戸惑いなんて、これっぽっちも感じない。
でも……。
「おばあちゃん、あのっ、ハルは……」
「うん、普通の男の子になっちゃったみたいだねぇ」
おばあちゃんは、わたしの気持ちが分かったかのように口を開いた。
優しいその口調に、なんでたろう……ちょっと泣きそうになる。
「おばあちゃんは何でそんなに冷静でいられるの?」
犬が人間になるなんて、どう考えたって普通じゃない。
なのに、あっさり受け入れている二人を見ると、自分の方がおかしいのかと思ってしまう。
まあ、ハルは何も考えてないだけなのかもしれないけど……。



