イケメン男子はわたしのワンコくん!

なっ、なんで知らない男の子がいるの


「結芽ちゃん?」


なんでわたしの名前を知ってるの?


「はっ、ハルどこっ!?どこにいるの!?」


いつもなら隣にいるはずのハルがいないことに気付いて、助けを求めるように辺りを見渡すけど、その姿はどこにもない。


ハルがいたら、威嚇して吠えるはず。

だけどわたしが目覚めるまで、ハルの鳴き声は聞こえなかった。


もしかして──。


「あなたっ」

「結芽ちゃん!おはようっ!」


ハルをどこにやったのか、問い詰めようとした。

だけどそれより先に男の子はこっちに身を乗り出して、とても嬉しそうに笑った。


あ、あれ……?


目の前には同い年くらいの男の子。

黒い大きな目が女の子みたいに可愛くて、ふわふわした茶色の髪。

全然知らない、今日初めて会った男の子。


でも……わたしはこの子を知っている。


こんなこと、あるはずない。

あるはずないけど、わたしは手を伸ばして……彼の頬に触れた。


「もしかして……ハル?」

「なあに?結芽ちゃん」


にっこりと笑って、返事をする男の子。


え、待って……本当に?


信じられなくて目をパチパチさせていると、


「すごい声が聞こえたけど、どうしたのっ?」


おばあちゃんがとても慌てた様子でドアを開けた。そして……。


「……え?」


 わたしの前に立っている男の子を見て、目を丸くした。


「ど、どうしよう、おばあちゃん。ハルが……人間になっちゃった!?」