好きだから。

すると、珠雨くんは、頭を両手で抱えた。


「あー、泣き顔、可愛い……、キスしたい」


「えぇっ! 電車の中では人がっ……!」


珠雨くんは、ぐらついている理性を保つのに、必死のようだ。


「やっぱ、しよ、」


「だ、ダメです!!」


わたしは、自分の口元に、両手の人差し指で、バッテン
印をした。


「なにそれ、可愛い」


“可愛い”という言葉で心が揺れたけど。


「ダメなものはダメです……!」