好きだから。

「……っ、危ねー」


私の肩からするりと、手が抜け落ちる。


えっ、キスしないの……?


私がきょとんとしていると、珠雨くんは真っ赤な
顔をしていた。


ハテナマークを浮かべながら私は、珠雨くんに上半身を
起こされる。


私はちょっとしょんぼりしながら、何気なく花を見た。


「あっ!!? しゅ、珠雨くん見てください!! お花が元気
なくなっちゃいました……!!」


わたしが花壇の花を指さすと、珠雨くんは淡々と言う。


「花よりも、お前は自分の心配しろ」


「へっ………?」


「寧音は、お人好しで、可愛すぎるって意味」


珠雨くんは呆れたように、私の頭をポンポンと叩く。


私は意味がよくわからなかったけれど、心配してくれる
珠雨くんに感謝した。