好きだから。


途端に、教室の視線が私と珠雨くんに集中する。


このクラスには、珠雨くんと弟の天真くんの超イケメン双子がいるのだ。


でも、その一方で、「どうしてあんな地味子が?」と後ろ指を
指されるほど、私の評判は良くない。


なんで私なんかに話しかけてくるんだろう。


私といると、悪評がうつってしまうのに。


「え、と。なん、でしょうか」


蚊の鳴くような声で、なんとか言葉を発した私。


無視するという選択肢もあったけど、せっかく声を掛けて
くれた彼に、迷惑だと思ったからだ。


珠雨くんが黙ったままじっと、私を見る。


5秒間、間が空いた後、「ちぃせぇ、声」と珠雨くんは、
呟いた。


「話しあんだよ」


「へ?」


「裏庭で待ってる」


「あ、あの……!!?」


セリフだけを言い残して、珠雨くんは教室の戸から出て
行ってしまった。