好きだから。

私は胸ポケットの学生手帳を取り出し、おもむろに開いた。


手帳の一番後ろのページに挟まれた一枚の古い写真。


映っているのは、メガネじゃない幼い私と━━、幼い男の子の姿。


私は、ポツリ、ポツリと昔の話を始めた。


幼稚園に通っていた頃、内気で大人しい私は、浮いた
存在だった。


男子からはいじわるされるし、女の子からは避けられるし。


でも、唯一、とある男の子だけが、いつも気にかけてくれていた。


「ね、ねぇ、わたしといると、みんなからきらわれちゃうよ?」


「ぼくなら、へいきだから! それよりもいっしょに
かくれんぼしよう!」


一人でいる私の手を、いつも引っ張ってくれて、外に連れ出して
くれた。