好きだから。


私には、新しい友達もいないし、恋もしないし、部活にも入部しない。


私にとって、高校生活と言えば勉強のみだ。


さすがに頭をずっとフル回転させてただけで、お腹が減ったなあ。


私はおもむろに、鞄からお弁当の包を取り出す。


私の席は窓際の一番後ろの、特等席で、外からの景色が
よく見える。


今日の天気は、どよんとした曇り。


春は好きだけど、雨の日が多いのがちょっと残念。


窓から視線を外し、姉がつくってくれたお弁当の蓋に手をかけた。


そのとき。


ふっ、と机に影が落ちる。


「桜庭」


「え?」


顔を上げると、同じクラスの珠雨くんが、立っていた。


びっくりして、思わず心臓が止まりそうになる。


藍咲 珠雨(あいざき しゅう)くんは、学校1イケメン双子の、
片方のお兄さん。