好きだから。

少しづつ太陽が沈み始めた、夕暮れ。


赤みがかったオレンジ色の光が、教室にたっぷり注がれる。


帰りのHRが終わり、みんなの和やかな声が響く放課後。


今日も一日、頑張って授業受けたな……と、肩が軽くなるのを、
感じる私。


私は筆記用具が入ったペンポーチから、シャーペンを取り出して、
明日までの期限の小プリントを解いていた。


「寧音、物理のヤツやってんの?」


「天真くん、うん、そうですよ」


「でも、提出は明日じゃん。ウチに帰ってからやればいいのに」


「えっと、家よりも学校の方がはかどるので」


「寧音は、めちゃくちゃしっかりしてんな~」


「いえ、そんな……!」


「俺も一緒にやりたいけど、このあとバイトなんだよねー、残念」


「そうですか、頑張ってくださいっ……!」


天真くんは、私に大きく手を振りながら、教室を飛び出した。


ふふふっ、賑やかな人だな、天真くん。


明日からはしばらく、この席なんだよね。


右には、珠雨くん。


左には、天真くん。


天真くんとは少し仲良くなれそうかな。


珠雨くんとは、ちょっと難しいかも。


キスされたのもあるし、思い出すだけで、気まずい。


そんなことを考えながら、プリントを解いていると━━。