俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……クソッ、またダメか」


 肉離れの完治には、結局六週間ほどかかった。

 いつの間にか夏休みが始まり、早くも七月が終わろうとしている。


 じりじりとした太陽の熱が降り注ぐ中、何度も何度も全力ダッシュを繰り返す。

 だけど、いくら走っても一位のタイムには一向に届きそうもない。


「もう諦めなよ」

 ゴール地点で息を整えていると、栞奈の呆れたような声がする。


「は? 諦めるわけないし」


 だって、俺の運命の相手は栞奈に間違いないって思ってるから。

 諦めてたまるか。


「運命ってのはなあ、自分の手でつかみ取るものなんだよ」

「なっ……なにカッコつけたこと言ってんのよ。桜輔のクセに」

「ふうん、カッコいいって思ってくれてんだ」

「はあ⁉ そんなこと思ってないし。ただ……」

 そう言ったきり、言葉を濁す栞奈。


「うん? 『ただ』、なんだよ」

「……ムリしすぎて、またケガしないでよねっ」

「わかってるよ。俺が一番よくわかってる。もうあんな思い、二度としたくないからな」


 え、栞奈が俺の心配をしてくれてる……?


 思わず綻びそうになる口元を、必死に引き締める。


「そっか。……ごめん。そうだよね」

「なんで謝るんだよ。俺は栞奈がそうやって心配してくれて、超うれしいんだけど?」

「ほんっとに、なんでそんな調子いいことばっか言えるわけ⁉」

 栞奈が顔を真っ赤にして怒っている。


 ふふっ。そんな栞奈もかわいすぎるんだけど。