俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

「いやいや、じゅうぶんすごいだろ」

「わたしだって本気で優勝目指してたんだから。桜輔にあんなこと言っといて、自分だけなにもしないなんてありえないし。けど……結局全然ダメだった」

 栞奈の目からぽたりと涙がこぼれ落ちる。


 栞奈……。


「……俺さ、治ったら走るから。そんで、優勝したヤツより速いタイム出す。だからさ、もう一回チャンスもらえないかな」

 体の横で両方の手をぎゅっと握りしめ、栞奈に向かって頭を下げる。


「ちょ……なにやってんのよ。顔あげてってば」

「じゃあ、くれるんだな?」

 真正面から栞奈の瞳をじっと見つめると、栞奈が目を泳がせる。


「そっ……それは……」

 チラッと俺の方を見た栞奈が再びふいっと顔をそむける。


「……だったら、まずは早くよくなりなさいよね」

 栞奈がぼそりと言う。


 それって……くれるってこと、だよな?

 いいってこと……なんだよな?


「おうっ。任せとけ。俺の治癒力なめんな。こんなもん、秒で治してやるって」


 やべっ。今めっちゃ全力で走りたいんだけど。


「なにバカなこと言ってんのよ! ちゃんと完全に治るまで、絶対ムリしちゃダメなんだからね⁉」

「ははっ。さすがにわかってるよ」


 俺はこの恋をどうしても手放したくないんだ。

 だったら、根性でつかみ取りに行くしかないよな。