俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

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「ほんっと、なにやってんのよ」

 病院の待合室の長椅子に座って会計を待っていると、栞奈が俺の目の前に鬼の形相で立ち塞がった。


 ああ、練習終わったんだな。

 そっか……もうそんな時間か。


「ほんと、なにやってんだろうな」

 ははっと乾いた笑い声が漏れる。


 医者の診断によると、太ももの肉離れ。


 復帰できるまで、最短でも1ヶ月はかかると言われた。

 つまり、来週の県総体は辞退するしかないってこと。


「ほんと、なんで今なんだろうな。県総体終わってからなら全然よかったのに」

 軽い口調で言いながら、爪が手のひらに食い込むくらいぎゅっと両方のこぶしを握りしめる。


 こんなふうに運命に邪魔されるってことはさ、やっぱ俺にとって栞奈は運命の相手じゃなかったってことなのかな。


「ごめん。あの約束、忘れてくれていいから」

 栞奈から目を逸らしてぼそりと言う。


「……あっそ。やっぱり桜輔にとって、わたしなんかその程度の存在だったってことね」

 怒りを含んだ栞奈の声が俺の耳に届く。


 は? 今、俺、責められてる?

 なんでもっと優しいこと言ってくれないわけ?


「しょうがないだろ。ケガで出られなくなっちゃったんだからさ」

 イライラに任せて俺も強い口調で言い返す。


「そうだね。だったら次は、わたしなんかよりもっと優しく慰めてくれる人でも探せば?」

「言われなくてもそうするし」


 俺がそう言うと、目の前から栞奈の足音が遠のいていった。


「くそっ! ……くそっ! くそっ!」

 ケガをしていない方の太ももをこぶしで何度も叩く。


 どうにもできないごちゃ混ぜの感情が今にも爆発しそうだ。

 なんで今なんだよ……なんで……っ。