俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

「――望愛」

 三人でケーキバイキングに行って解散になったあと、俺は反対側のホームへと向かう望愛を呼び止めた。


「うん? どうしたの?」

「これ」

 俺はカバンから資料の束を取り出すと、望愛の前に差し出した。


「なに?」

 資料に目を落としたあと、望愛が表情をこわばらせて俺の顔を見あげる。


「今日春田も言っていたが、専門学校でも奨学金は出る。努力すれば入学金や授業料が減額されるケースもあるらしい。余計なお世話かもしれないと思ったんだが、今日の望愛を見ていて、やはり専門学校に行くのを諦めないでほしいと思った」

「……」

「奨学金を受け取るためには、高校の成績も重要になってくる。だから、もしやる気があるのなら、今まで通り一緒に勉強しないか?」

「だって……あたしなんかいたら、冬島の足手まといにしかならないよ?」

「足手まといなどと思ったことはない」

「冬島はそうかもだけど、あたしはイヤなの!」

「俺は、望愛に夢を諦められる方がイヤだ」

「そんなの、冬島には関係ないじゃん」

「俺は、今日みたいな望愛の楽しそうな笑顔をずっと見ていたい」

「そんなの、ショップ店員でもできるってば。もういいんだって。決めたんだから」

「本当は、自分のデザインした服を世に出すのが夢なんだろ?」

「あたしに夢を追う資格なんかないんだってば」

「夢を追うのに資格など必要ない」

「……ねえ、なんでそんなこと言うの? せっかく諦めようって、自分の中でちゃんと気持ちも整理したのに」

 望愛が目に涙を溜め、こぼれないように必死に堪えている。