俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

「はぁ~、今日もよく勉強したあ」

 西の空が茜色に染まる帰り道、最寄り駅まで歩きながら望愛がぐいっと伸びをする。


「まだまだだ。家でも続きをちゃんとするんだぞ。わからないところがあったら、すぐ俺に連絡しろ。わかったな」

「……」

「おい、聞いてるのか?」

「やっぱさ、あたしには向いてないなーって。わかっちゃったんだよね」

 望愛がじっと正面を見つめたまま言う。


「望愛? なにを――」

「今までありがとね。でも……今日で最後でいいや」

 俺の方を見た望愛がにっこり笑う。


「なにを言っている。受験勉強、望愛一人でいったいどうするつもりだ?」

「大丈夫、大丈夫。どうせ受験しないしー」

「それは、高校を卒業したら働くという意味か?」

「アパレルの販売もいいしー、オシャレなカフェでもいいなー。夢が膨らむよねっ」

 望愛が軽やかにステップを踏みながら楽しそうに言う。


「服飾系のデザインの仕事がしたいと言っていただろう。専門学校に行くんじゃなかったのか?」

「うちってさ、正直そんなお金ないんだよねー。だからしょうがないんだって」


 そんな寂しそうな笑顔でごまかさないでくれ。

 俺にすらちゃんと本心を聞かせてくれないのか?


「なら、バイトしながら通えばいいだろ」

「柊が志望してる国立大よりもずーっと学費かかるんだよ? 全然ムリだってー」