俺たちの青春の半分は恋でできている ~信じてますか? 運命の恋~

「おはよう、百瀬」

 バスケ部の部室から出てきた笹本が、栞奈に声をかける。


「おはよ。笹本も今から朝練?」

「ああ。大会近いし、みんなめちゃ気合い入ってんだよね」

「そうなんだ。がんばってね」


 くそっ。なんで朝からこんな現場を目撃しなくちゃなんねーんだよっ。


 くるりと踵を返すとクラブハウスから大股で離れていこうとして――ピタリと足を止める。

 そして、もう一度クラブハウスに向かって歩いていく。


 よく考えたら、俺があの二人を避けなきゃいけない理由なんて、なにひとつないわけだし?

 栞奈がそれで幸せなら応援すべきだし、ましてや二人の邪魔なんて野暮なことをするつもりもない。


 ……いやいや、しないし。


「おはよー、栞奈。そういやさ、佐伯が今度中学の陸部の同期会やろうって」

 そう宣言したそばから俺は二人の会話に割って入った。


 マジでなにやってんだよ、俺。


「そうなんだ。いいね、やろやろ! ……あ、ご、ごめんね、笹本。えーっと、なんの話してたんだっけ?」

「いや、大した話してないしいいよ。じゃあ俺、急いで朝練行かなきゃだから」

 軽く手をあげると、笹本は体育館に向かって走っていった。