『あのさ。俺、ずっと百瀬のことが気になってて。もし付き合ってるヤツとかいなかったら、俺と付き合ってもらえないかって思って。どう……かな』
『えっと……なんて言ったらいいんだろ。ごめんね。わたし、こういうの初めてで……』
『返事は今すぐじゃなくていいし。ずっと待ってるから。俺のこと、少しでも考えてもらえたらうれしい』
『うん。……わかった』
そう言って笹本と別れた栞奈が、俺の隠れている廊下の角に向かって歩いてくる――うれしそうに頬を染めて。
その瞬間、底の見えない真っ暗な穴の中に突き落とされたような感覚。
ハッとして目を覚ますと、俺はいつもの自分のベッドの上にいた。
……またこの夢か。
修学旅行から帰って十日。
毎日のように同じ夢を見ている。
なんだか胸がモヤモヤして、朝から気分が悪い。
サイアクな夜明けだ。
わしゃわしゃと髪をかきまぜると、ベッドから下りて、ダイニングへと向かう。
こんなときはさっさと朝飯食って、学校行って、走るに限る。
走っている間は、すべてを忘れられるから。
学校に行くと、トレーニングウエア姿の栞奈が部室から出てくるところだった。
「よっ、栞――」
最後まで終わる前に、俺は言葉を飲み込み、その場で足を止めた。
『えっと……なんて言ったらいいんだろ。ごめんね。わたし、こういうの初めてで……』
『返事は今すぐじゃなくていいし。ずっと待ってるから。俺のこと、少しでも考えてもらえたらうれしい』
『うん。……わかった』
そう言って笹本と別れた栞奈が、俺の隠れている廊下の角に向かって歩いてくる――うれしそうに頬を染めて。
その瞬間、底の見えない真っ暗な穴の中に突き落とされたような感覚。
ハッとして目を覚ますと、俺はいつもの自分のベッドの上にいた。
……またこの夢か。
修学旅行から帰って十日。
毎日のように同じ夢を見ている。
なんだか胸がモヤモヤして、朝から気分が悪い。
サイアクな夜明けだ。
わしゃわしゃと髪をかきまぜると、ベッドから下りて、ダイニングへと向かう。
こんなときはさっさと朝飯食って、学校行って、走るに限る。
走っている間は、すべてを忘れられるから。
学校に行くと、トレーニングウエア姿の栞奈が部室から出てくるところだった。
「よっ、栞――」
最後まで終わる前に、俺は言葉を飲み込み、その場で足を止めた。



