カーテンコールはまだ鳴らない。


胸ポケットには警察⼿帳。

ズボンのポケットには、タバコとライター。

いつもの装備。

いつもの朝。

深く息を吸い、響華は⽞関で靴を履いた。

「……⾏くか」

そう呟いてドアを開けると、朝の冷たい空気が頬を撫でた。

昨夜の余韻を胸の奥に押し込み、

燐⾳響華は、今⽇もまた仕事へ向かう。