カーテンコールはまだ鳴らない。


店を出ると、夜⾵がひんやりと肌を撫でた。

さっきまでの店内の熱気が嘘みたいに、外は静かだった。

「久しぶりに、めっちゃ楽しかったわ」

侑玖がそう⾔って伸びをする。

響華は少しだけ間を置いてから、

「……私も」

と、⼩さく答えた。

駅に着くと、構内は思った以上に静かだった。

終電が近い時間帯のせいか、⼈の数もまばらで、⾜⾳がやけに響く。

改札の⼿前で、⼆⼈は⾃然と⾜を⽌める。

路線図をちらりと⾒て、響華が⼝を開いた。

「……じゃ、私はこっち」

「俺は向こうだわ」

少しの間、気まずいような、名残惜しいような沈黙が落ちる。