カーテンコールはまだ鳴らない。


⾃分のグラスに残ったレモンサワーを⼀⼝飲み、氷の⾳を鳴らした。

「……あんたの⽅が変わってないでしょ」

「え、俺?」

「そう。うるさいし、調⼦いいし、アホでポンコツだし」

「全部余計じゃん!」

侑玖は抗議するように声を上げるが、その勢いもどこか緩い。

「でもさ」

ふっとトーンを落とし、侑玖は視線を逸らした。

「こうやって飲めてるの、なんか不思議だよな」

響華は答えず、ただグラスを⾒つめる。

テーブルに並ぶ数え切れないグラスが、今まで流れた時間を物語っている。

「……確かにね」

そう呟いた声は、いつもより少しだけ柔らかかった。