カーテンコールはまだ鳴らない。


「え〜、まだ⼀時っしょ……全然いけるって……」

そう⾔いながら、グラスを持つ⼿がわずかにふらつく。

それを⾒て、響華は⼩さく⿐で笑った。

「もう酔ってるじゃん。もしかして酒弱い?」

「はぁ!? 弱くねぇし! 全然っしょ!」

そう⾔い切ろうとして、侑玖は⼀瞬⾔葉に詰まる。

「……たぶん」

「たぶんて」

響華は呆れたように⾔いながらも、どこか楽しそうだった。

「てかさぁ……」

侑玖はテーブルに肘をつき、少し距離を詰める。

「響華、マジで変わんねぇよな」

「は?」

「顔も、喋り⽅も、居⼼地の良さも。⾼校んときと⼀緒じゃん」

「それ褒めてんの?」

「褒めてる褒めてる。超褒めてる」

へらっとした笑いを浮かべる侑玖に、響華は⼩さく息を吐く。