カーテンコールはまだ鳴らない。


* * *

そうして、時間はあっという間に流れていった。

料理は次々と運ばれ、話題は尽きることなく、テーブルの上には

空になったグラスがドンドン増えていく。

気づけば時計は深夜⼀時を回っていた。

⽊製のテーブルは、レモンサワーのグラスと⼩⽫で溢れんばかりに

なっている。

「……やっば。もうこんな時間じゃん」

響華はスマホをちらりと確認し、軽く眉を上げた。

けれど、その表情も声⾊も、普段とほとんど変わらない。

背筋は崩れているものの、⽬は冴えていて、呂律も⼀切乱れていない。

⼀⽅で、向かいに座る侑玖はというと――

頬はほんのり⾚く、⽬元も少し緩んでいる。