カーテンコールはまだ鳴らない。


「ご注⽂お決まりですか?」

⼆⼈で顔を⾒合わせてから、響華が⼝を開く。

「えっと、炙りしめ鯖⼀つと……」

そこからは、まるで合図をしたかのように、次々と料理名が⾶び出す。

注⽂を終え、店員が去ったあと。

「……頼みすぎたかも」

ぽつりと呟くと、

「久々だし、いーじゃん」

侑玖が、軽く笑って⾔った。

「今⽇はさ」

グラスを持ち上げる仕草をしながら、

「昔に戻ったってことで」

まだ届いていないはずのレモンサワーを、空中で軽く掲げる。