カーテンコールはまだ鳴らない。


「っふ、相変わらずだね」

「なにが〜?」

「飲み物決めるの、異様に早い」

「だって、他選ぶ理由なくね?」

「確かに、ないね」

乾いた笑いを漏らしながら、メニュー表に視線を落とす。

そこからが、本番だった。

「え、ちょ、⾒て。串盛りある」

「頼む」

「即決すぎ」

「串は正義でしょ」

「わかるわ〜。じゃ、盛り合わせね」

ペンでメニューを指しながら、今度は別のページを⾒る。

「……この、炙りしめ鯖も気になる」

「頼もう」

「いや、まだ早いでしょ」

「えぇ?全然早くないっしょ」

「お腹の配分ってものがあるの知ってる?」

「⼤丈夫⼤丈夫、響華めっちゃ⾷うじゃん」

「……それ、昔の話でしょ」

「今もっしょ」

じとっと睨むと、侑玖は楽しそうに笑う。