カーテンコールはまだ鳴らない。


* * *

店内は、思った以上に落ち着いた雰囲気だった。

⽊⽬のカウンターと、使い込まれたテーブル席。

焼き⿃の⾹ばしい匂いが、空腹を刺激する。

「奥どうぞ〜」

店員に案内され、⼆⼈並んでテーブル席に腰を下ろした。

「どーよ!センス良くね〜?」

侑玖がきょろきょろと店内を⾒回しながら⾔う。

「……確かに。騒がしくなくていい」

「っしょ?」

向かい合う形で座ると、店員が⽔とおしぼりを置いていった。

「とりあえず飲み物なにする?」

メニューを⼿に取りながら、侑玖が聞いてくる。

「レモンサワー」

即答すると、侑玖は⽬を丸くした。

「即答すぎん?」

「迷う理由ある?」

「ないなぁ!」

⼆⼈同時に顔を上げて、笑う。

「俺もレモンサワー!」

店員を呼び⽌め、

「レモンサワー⼆つで!」

と元気よく注⽂する。