カーテンコールはまだ鳴らない。


「響華といるときは、静かなほうがいいし」

その⼀⾔に、⼼臓が⼩さく跳ねた。

「……なにそれ」

「なにって、そのまんまじゃん?」

侑玖は特に気にした様⼦もなく、歩き続ける。

「お前さ、無⾔でも気まずくならないから楽なんだよ」

「失礼なんだけど」

「褒めてんの!」

笑いながら⾔われると、強く否定できない⾃分がいる。

「それに」

侑玖は少しだけ声を落とし、

「久々に会ったのに、変に気使わなくていいのも、楽」

その横顔を、響華は盗み⾒る。

ネオンに照らされる顔は、確かに昔のままだ。

少し無防備で、どこか安⼼させる表情。