カーテンコールはまだ鳴らない。


⼈通りの多い⼤通りを外れ、少し路地に⼊る。

看板の数が減り、代わりに古い居酒屋の暖簾や、⼩さなバーの灯りが

⽬に⼊る。

「……意外と、落ち着いたとこ連れてくんだ」

「だろ?」

侑玖は得意げに笑う。

「うるさい店、あんま好きじゃなくてさ。 昔から」

その⾔葉に、ほんの⼀瞬だけ引っかかりを覚える。

――昔から?

「へぇ。⾼校のときはあんた⾃⾝が騒がしかったのに」

「それはそれ、これはこれっしょ」

あっさりと⾔い切る。