カーテンコールはまだ鳴らない。


そんなことを考えているうちに、電⾞は新宿駅に到着した。

ドアが開き、⼈の波に押されるようにホームへ降り⽴つ。

雑踏。

アナウンス。

⾏き交う⼈々の⾜⾳。

新宿は、いつ来ても情報量が多い。

東⼝改札を抜けると、ネオンと看板の光が⼀気に視界へ流れ込んできた。

⼈の声が重なり、空気が少しだけ湿っている。

響華はスマホで時刻を確認する。

21時55分。

――早く着きすぎたか。

待ち合わせ場所に指定された、駅を出てすぐの交番前へ向かうと、

そこにはすでに数⼈が⽴っていた。

誰かを待つ恋⼈同⼠、友⼈グループ、スマホをいじる派手なメイクの女。

その中に、侑玖の姿はまだない。